コンテンツにスキップ

0-1. 研修環境の全体像

  • 研修でなぜ環境をそろえるのか
  • Windows 環境で Git Bash を標準にする理由
  • 研修で使う道具の役割
  • 第0章を通して何ができるようになるか

1. なぜ研修環境をそろえるのか

Section titled “1. なぜ研修環境をそろえるのか”

未経験者向けの研修では、学ぶ内容そのものだけでなく、どの道具で学ぶか も重要。

同じ教材を見ていても、使っているOSやシェル、エディタがばらばらだと、次のような問題が起きやすい。

  • 先生の画面では動くのに、自分の画面では動かない
  • 参考資料のコマンドをそのまま入力してもエラーになる
  • 「内容がわからない」のか「環境が違う」のか切り分けにくい
ばらばらの環境
受講者A: PowerShell
受講者B: コマンドプロンプト
受講者C: Git Bash
受講者D: WSL
同じ教材でも
「コマンドが違う」「パスの書き方が違う」
「エラーの出方が違う」が発生する

そのため、この研修ではまず 共通の土台 を決める。

この研修の標準環境
Windows 11
Git Bash
VS Code
Node.js LTS

環境をそろえる目的は「細かい自由を奪うこと」ではない。
学習の初期段階では、悩む場所を減らして本質に集中する ためである。


第0章から第1章の前半では、まず最小限の道具だけを使う。

道具役割この時点で必要か
ブラウザ(Edge / Chrome)教材サイトの閲覧や外部資料の確認必須
VS Codeファイル編集、フォルダ閲覧、統合ターミナル必須
Git for WindowsGit 本体と Git Bash を導入する必須
Git Bash研修で標準にするシェル必須
Node.js LTS後の JavaScript 演習で使う実行環境必須
npmNode.js に付属するパッケージ管理ツール必須

あとで登場する道具は、この章ではまだ必須にしない。

道具後で必要になる場面
Java / JDKJava 編の実装章
データベースDB 基礎・API 実装章
Docker / Dev Container実践開発で環境統一が必要になった段階

最初から全部入れると、何が原因で困っているのか が見えにくくなる。
そのため、ここでは「研修を開始するために最低限必要なもの」に絞る。


3. なぜ Windows でも Git Bash を使うのか

Section titled “3. なぜ Windows でも Git Bash を使うのか”

Windows には PowerShell やコマンドプロンプトもあるが、この研修では Git Bash を標準シェルにする。

理由は、教材で扱うコマンドの多くが bash系の書き方 に近いからである。

Git BashPowerShell
現在地を表示pwdGet-Location
ファイル一覧lsGet-ChildItem
環境変数を表示echo $HOMEecho $env:USERPROFILE

PowerShell でも似たことはできるが、同じ意味でも書き方が変わる
未経験者は「概念」より前に「記法の違い」で混乱しやすい。

そのため、この研修ではまず Git Bash に統一し、

  • コマンドの形をそろえる
  • Linux 系の資料ともつながりやすくする
  • 将来のサーバー操作や CI 環境への接続に備える

という方針を取る。


4. Windows のパスと Git Bash のパス

Section titled “4. Windows のパスと Git Bash のパス”

Windows のエクスプローラーと Git Bash では、同じ場所でも見え方が違う

同じ場所の見え方
Windows:
C:\Users\student\Documents
Git Bash:
/c/Users/student/Documents
Windows の見え方Git Bash の見え方意味
C:\/c/Cドライブ
C:\Users\student/c/Users/studentユーザーのホーム
C:\Users\student\Documents/c/Users/student/Documents文書フォルダ

さらに Git Bash では、ホームディレクトリを ~ で表せる。

Terminal window
~ # /c/Users/student と同じ意味
~/Documents # /c/Users/student/Documents
~/Desktop # /c/Users/student/Desktop

~ を使うと、ユーザー名が毎回違っても同じ書き方で説明できる。
教材で ~/Documents のように書かれていたら、「自分のホームディレクトリの下にある Documents」と読めばよい。


第0章を終えると、次の状態になっているのが理想。

  • VS Code・Git Bash を起動できる
  • git node npm のバージョンを確認できる
  • VS Code の統合ターミナルで Git Bash が使える
  • Git にユーザー名とメールアドレスが設定されている
第0章のゴール
ツールを入れる(VS Code / Git for Windows / Node.js)
バージョンを確認する
VS Code と Git を初期設定する
第1章の学習を始められる

ここで重要なのは、完璧に理解してから進むことではない
まずは「研修で使う環境が手元で動く」状態を作ることが先である。


キーワード説明
標準環境研修全体で共通に使うOS・シェル・エディタの組み合わせ
Git BashWindows 上で bash 系コマンドを使えるシェル
~Git Bash でホームディレクトリを表す記号
~/DocumentsGit Bash でのパス表記の例
最小構成最初は必要最小限の道具だけを導入する考え方

0-2. 必須ツールのインストール に進もう。